伝統工芸品の海外輸出に挑戦

動画100万回再生も存続危機 中新田打刃物 最後の鍛冶屋 石川刃物製作所(宮城県加美町南町)

宮城県加美郡加美町南町に中新田打刃物の最後の職人がいる。石川美智雄さんです。

中新田打刃物は宮城県の伝統的工芸品です。その歴史は古く仙台藩第3代藩主 伊達綱宗の時代から始まったと言われています。石川氏は、石川刃物製作所の4代目です。加美町には、数年前まで約11の鍛冶屋が存在していました。しかし、現在までにほとんどの鍛冶屋が廃業し、石川氏が最後の職人となってしました。

中新田打刃物の特徴は、2つあります。1つは、片刃包丁のみを製作していること。もう1つは、空打ちという技術です。

通常、包丁は2種類あり、片刃包丁と両刃包丁があります。一般的に片刃は柳刃包丁などで使われているように素材を薄く切る作業に向いています。両刃包丁は牛刀などで使われているように素材をぶった切るという作業に向いています。なぜ、中新田打刃物の製作は片刃だけだったのかは、4代目の石川氏でも分からないそうです。ただ、これについては地域性も関係しているのではないかとのことです。

※片刃と両刃の違いについては、別ブログ(知ってましたか?海外ではほとんど片刃は使われていません)を参照ください。

空打ちとは、熱を持っていない状態の鉄と鋼を鍛えることを言います。何度も鉄と鋼を叩いて鍛えることにより、粘り気のある包丁に仕上がります。この作業を中新田打刃物では3回ほど行います。

包丁の鋼は日立安来鋼の青紙2号と白紙2号を使用しています。青紙2号と白紙2号とは、鋼の硬度の種類で、どちらも一般的な手打ち鍛造の包丁で使用されている鋼です。プロの料理人の方々は、一般的には青紙の包丁を好んで使っています。ふつうのご家庭であれば、白紙の包丁で十分です。

鉄や鋼を切り、鍛造し、空打ちし、焼入れし、刃付けをする。これらの長く根気のいる作業を石川氏が1人ですべて行っています。実際には、他にもっと細かい作業があるのですが、包丁マニアでなければ興味が湧かないと思いますので、ここでは割愛させていただきます。

残念なことは、この加美町の伝統技術が石川氏で終わってしまうことです。みなさんのご家庭にもおそらくステンレス包丁があるように、包丁が錆びて砥ぎをしなければいけない古式鍛造の包丁は、国内で年々需要が落ちています。近年は、中新田打刃物の苦楽を共にしてきた石川氏の弟さんと2人だけだったのですが弟さんが不幸にも他界してしまったため、技術継承者はおらず、石川氏が最後の1人となってしまったのです。

一方で、最後の1人となってしまった希少性もあって、近年では石川氏の包丁を海外の方が愛用してくださり、アメリカやイスラエルで石川の名前が知られるようになり、海外での販売店も少しづつ増えていきました。(下記はアメリカとイスラエルの販売店)

Chef knives to go http://www.chefknivestogo.com/ishikawaknives.html

Hikari Chef Knives https://www.japanese-knives.co.il/product-category/michio_ishikawa/

現在、石川刃物製作所では、店頭のシャッターが降ろされており、公には店頭販売はしていませんが、石川刃物製作所の裏手の工場に直接いけば、文化包丁、菜切り包丁、出刃包丁を購入することができます。

ご興味のある方は、ぜひ最後の中新田打刃物を手にいれて使ってみてください。

※なお、石川氏は裏手の工場にいますが、鍛造作業をしている場合は応対できませんのでご了承ください。
※古いタイプの職人で携帯電話もメールも持っていないため事前連絡はできません。自宅の電話連絡も石川氏が作業しているため繋がりませんのであらかじめご了承ください。
※見学は可能ですが、鍛造作業は毎日行っているわけではありません。まとまった人数での見学、外国人観光客との見学などについては事前に下記インスタグラムよりお問合せ下さい。


店名  石川刃物製作所
 ジャンル 鍛冶
 TEL 0229-63-3095(99%繋がりません)
 住所  〒981-4241 宮城県加美郡加美町南町20

 E-mail  rural.japan.tv@gmail.com (代理)
 営業時間  午前8時30分から午後5時0分
 定休日  土曜日、日曜日
 予算  包丁一本 約4000円から(在庫状況によります)
 カード  不可。ただしインターネットサイト アマゾンで購入可
 駐車場 路駐になります。